遠征先で美容院に行った

事の発端は関ジャニ∞のコンサート名古屋公演2日間を一緒に連番する予定だったフォロワーが来れなくなったことだった。ありがたいことに譲り先はすぐに見つかり、空席を作らずにはすんだがもう一つ別の空白ができてしまった。

 

19、20の日中の予定である。

 

元々は19日当日に新幹線で名古屋入りをしてライブ、宿泊して観光しつつ20日のライブ、フォロワーさんが日曜は仕事なので私だけもう一泊して別のフォロワーさんと21日のライブの予定だった。19日はまあいい、到着時間を遅めにすればいいだけだ。問題は20日土曜日だった。観光したり喋ったりして適当につぶすつもりだったのが夕方のライブまで1日空くことになってしまった。正直これには困った。地理感覚がないからぶらつくのも怖いし、そもそも一人で観光も興味ないし、グルメ旅は味が濃いものが得意でないし……というか今回グッズがよすぎて余計な散財は避けたかったのもある。

 

そんな中唐突に思ったのが、「あ、美容院に行こう」だった。

 

私の髪はめちゃくちゃ色が抜けやすいので月に1回カラーリングをしているのだが今月はまだだった。それに加え少し雰囲気を変えたいな、と思っていた。いつもはただのフルカラーにするかインナーカラーを入れるかで地元の二つの美容院のどちらかに行っているのだけど、あまりカットを相談する感じではなく、ヘアスタイルはここ数年基本的なシルエットは変わらずいた。悪くはないが正直飽きてきたのも本音で、そのため色で遊んでたのだけど、大都会名古屋の美容室なら気分を変えられるのでは?そんな思いもあった。そうとなったら行動だ、即ホットペッパービューティーで美容室を調べて予約をした。

 

美容院当日、前日のライブがあまりにもよくて、しかも席もよすぎて、夢見心地のまま参戦服のライブTシャツに着替えて、髪の毛は美容院で何とかしてくれるだろという期待でボサボサのままホテルを出た。

予約した美容室はホテルを探した条件は、ホテルがある栄かドームから近いこと(暑い中歩きたくなかったから)、カラーとカットのクーポンがあることの二つだった。だがさすが大都会名古屋それくらいでは絞れないくらいに美容院があった。その中でも『カットやカラーをおまかせで提案してくれる』というところがあったので、なんか漠然とイメチェンしたい私にはちょうどいいのではとそこに決めた。

ホテルを昼前に出て朝ごはんを食べつつ昼過ぎの美容室に行く算段を立て、まずは美容室の駅までむかった。美容室の最寄は『矢場町』という駅だった。私には字面で都会度を判断しちゃう悪い癖があるのだが、そのせいで「町田って田んぼの田が2個入ってるから田舎だろ」と思って109を見てびっくりしたことがあった。でもこの悪癖は治っておらず今回も矢場町という駅名に「町って字ついてるから都会じゃない」という判断を下していた。

 

駅について地上に出るとそこはパルコだった。

 

いやパルコ、PARCO、ぱるこ。都会の象徴PARCO。都会の人には分からないと思うが、田舎者はパルコといったら都会、という連想ゲームがすぐになりたつ。だって私の育った宮城県だと唯一の都会仙台駅前にしかパルコは存在しない。パルコは都会にしか建たないのだ。さらに「いやこれ都会じゃん」と思って少し歩けばおしゃれだけど静かな街が広がっていて、緑と都会とおしゃれな建物の融合――それはもう表参道だった。矢場町はパルコのある表参道だったのだ。

つまり名古屋で暇つぶしに選んだ美容室は表参道の美容室みたいなもの――超おしゃれ美容室。その事実に気づくまで時間はかからなかった。

想像してほしい。髪はぼさぼさ、メイクはギラギラ、ライブTシャツに安田君とおそろいのトラック野郎のトートを持った女が表参道の美容室だ。いや地獄かよ。私はもっと田舎にあるおしゃれめな美容室のていで来たのに。

帰ろうかとも思ったが、ここまで来たし、時間はあるし、というか矢場町だってきっとハイレベルおしゃれすぎない美容室だって存在するはずだと思い、美容室に向かった。

 

ナビに頼ってついた美容院はガラス張りの建物だった。

 

おしゃれじゃん!!

表参道とかによくある全面ガラス張りの二階建てくらいの建物わかります?あれ。中に入った時の美容師さん全員おしゃれでいたたまれなさ。せめて次の日フォロワーと参戦だからおしゃれ服にしよ♡って思ってたの着て来ればよかったという後悔オブ後悔。最初のカウンセリングシートに好きなファッション雑誌○つけるところあったけれどもファッション雑誌なんてまっすーとりなぷ~が載ってるminaくらいしか読まないし、最近買ったやつで言ったらエイトが載ってたメンズノンノなわけでどこも○つけられなかった。

担当してくれたのは優しそうな若いお姉さんだった。

お姉さんは見た目通り優しく、「どうしたいとか決まってます?」という問いに「何となく雰囲気変えたいんですけど何が似合うかもわからないです」というお前は美容室に来たの初めてか?というような返しをした私にも優しく接してくれた。カタログをいっぱい見せてくれながら、「これくらいとかどうですか?」「これも似合いそうですね!」といろんな候補を見せてくれた。最終的にはお姉さんが似合いそうって言ったのを選んでカラーもカットも前髪も全部おまかせで決めた。候補を二つがあったときに迷いもしたが、それでも回答を急かされたりはしなかったし、ゆっくり考えさせてもくれた。

そして数時間後、肩より長いくらいで重めの前髪だったのに、自分では絶対に選ばないくらい短く、それでも違和感がない私が鏡の中にいた。触ると髪の毛はふわふわサラサラでブリーチ&カラーを繰り返してパサパサだった私の髪が生き返っていた。この後にライブに行くことは伝えていたので、髪の毛をきっちり巻いてくれて、さらにアレンジの仕方も教えてくれて、さらにさらにメイク直しまでしてもらった。至れり尽くせりとはまさにこのこと。

遠征中に美容院というとフォロワーさんにはかなり驚かれたし、私自身もお店がおしゃれすぎてビビったわけだが、ふたを開ければめちゃくちゃよかった。暇だと思う時間夏だけど涼しいとこに入れたし、おまけにマッサージもしてもらえたから疲れもなく、髪型がばっちり決まった状態でライブに行けた。

ちなみに私にしてはかなり短めなのだけど、めずらしく家でも会社でもほめられた。

来年も名古屋公演期間に空き時間が合ったら、あのおしゃれ美容院に行きたいなと思う。

 

ただ、お店を決める時は周囲の雰囲気も調べようね。

 

おしまい

 

安田くんの髪色を見て来月はインナーカラ―赤にしようと心にきめた。